そして、冬がやって来る。


でも、見たいな…モミジ。

行こうかな…。色づいてるかは別として。


とりあえず、行ってみよう。それから考えよう。







公園の駐輪場に自転車を止めて地図とデジタルカメラを手に持ち(他の荷物はリュックサックにパンパンに詰め込まれている)、私は歩き出した。

…もみじの原までは結構距離がありそうだったけど、何だか歩きたい気分だったのと、この近くにはたくさん神社があって、そこにも行きたいから(そしてそれなら石段を登る時に自転車を止めなくてはならない、それは面倒くさい)、自転車にはばっちり鍵をかけて駐輪場で待っててもらうことにした。


…リュックサック、重い……。

よく言われるけど……やっぱり荷物多いんだなぁ、私。

でも、これくらい準備しておかないと不安だし……。


ま、いっか。なんでも。


地図を見ながらしばらく歩くと、そこは見たことない場所だった。

樹がたくさんあって、その葉っぱの半分くらいは赤色に染まっている。

細い小道の地面には細かい砂利が広がっていて、所々、コケが生えている。

道を進むにしたがって、樹の数が段々増えてきて、奥の方は、樹のトンネルのようになっていた。


なんだか、ト○ロに出てきそうな…。


よく来るところなのに、こんな場所があったのを知らなかったなんて…。


新しい行動範囲が出来た嬉しさと同時に、今まで知らなかったことに対する、悔しさというか、何で知らなかったんだろう…という不思議な感じだったり、何とも言えないような気持ちが残った気がした。




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