夢原夫婦のヒミツ
「明るくて笑った顔が可愛くて、一生懸命で……。好きなところを挙げたらキリがないくらい。俺も愛実ちゃんに対する想いは、この先もずっと変わらない自信がある。だから愛実ちゃんが大学を卒業したら、プロポーズしようと思っていたんだ」

「……うそ」

プロポーズって……大和さんが私に?

さっきから信じられない話ばかりで、今が現実なのかさえわからなくなる。

だってこんなの、私に都合の良い展開で……すぐには信じることなんてできないよ。

そんな私に大和さんはポケットから小さなケースを手に取ると、開けて私の前に差し出した。

その中には、ダイヤが光り輝く指輪があった。

「俺の仕事は普通の仕事とは違い、なにかあったらすぐに現場に向かわなくてはいけない仕事だ。苦労をかけることも、心配させることもあるかもしれない」

一呼吸置き、彼は少し表情を崩し話を続ける。
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