夢原夫婦のヒミツ
「だけど結婚するなら愛実ちゃん以外いない。辛い思いをさせてしまうかもしれないけど、ずっとそばにいてほしいんだ。……生涯かけてキミを全力で守るよ。だから俺と、温かい家庭を築いてくれませんか?」

突然のプロポーズに涙腺は崩壊。

こんなに嬉しいことはない。ちゃんと現実だって信じてもいいよね?

涙を拭い、笑顔で伝えた。

「……はい!」

大きな声で返事をすると、大和さんはホッとした顔を見せた。だけどすぐにケースから指輪を取ると、そっと私の左手薬指にはめてくれた。

「ありがとう。……絶対幸せにするから」

左手薬指を撫でながら放たれた力強い声に、また私の瞳から涙が零れ落ちる。

だけどプロポーズされて、こうして指輪をはめてもらっても心のどこかで夢じゃないかと疑っている自分もいて、堪らず私は彼の胸に飛び込んだ。

すると彼の温かなぬくもりに包まれて、やっと現実だと信じることができた。

躊躇いがちに大きな手が私の背中を行き来するたびに――。
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