夢原夫婦のヒミツ
夫の苦悩
カチ、カチ、カチ……と、時計の秒針が進む音が響く中、昔ながらの大きな掛け時計が二回音を鳴らした。
どうやら深夜の二時を過ぎたようだ。
ずっと固く瞼を閉じていても、一向に睡魔に襲われない。それはきっと、隣から聞こえてくる可愛い寝息のせい。
寝返りを打って隣を見ると、愛実もまたこちらを向いたままぐっすりと眠っていた。
無邪気な顔して眠る彼女に、愛しさが込み上がると同時に深いため息が漏れる。
愛実は知らないんだろうな。俺がどんな思いで愛実と暮らしているかなんて。
そっと手を伸ばして頬に触れると、彼女は眉間に皺を刻んで「うーん」と唸った。
一瞬、起こしてしまったかと焦ったが、どうやら大丈夫だったようでまた規則正しい寝息が聞こえてきた。
安心して再び彼女の寝顔を眺める。
最初はこんなに好きになるとは、夢にも思わなかった。
あの災害の一報を聞き夜中、俺たちはすぐに現場に向かった。だが、夜が明けて見えた景色に誰しも絶望した。それほど被害が甚大で広範囲に渡っていたから。
どうやら深夜の二時を過ぎたようだ。
ずっと固く瞼を閉じていても、一向に睡魔に襲われない。それはきっと、隣から聞こえてくる可愛い寝息のせい。
寝返りを打って隣を見ると、愛実もまたこちらを向いたままぐっすりと眠っていた。
無邪気な顔して眠る彼女に、愛しさが込み上がると同時に深いため息が漏れる。
愛実は知らないんだろうな。俺がどんな思いで愛実と暮らしているかなんて。
そっと手を伸ばして頬に触れると、彼女は眉間に皺を刻んで「うーん」と唸った。
一瞬、起こしてしまったかと焦ったが、どうやら大丈夫だったようでまた規則正しい寝息が聞こえてきた。
安心して再び彼女の寝顔を眺める。
最初はこんなに好きになるとは、夢にも思わなかった。
あの災害の一報を聞き夜中、俺たちはすぐに現場に向かった。だが、夜が明けて見えた景色に誰しも絶望した。それほど被害が甚大で広範囲に渡っていたから。