夢原夫婦のヒミツ
「だけどわからないぞ? 結婚したからといって油断していると、愛実ちゃんを誰かに奪われる可能性もあるんだから。……特に結婚式にも出席していた、イケメン幼なじみとか怪しいんじゃねぇの?」
俺の不安を煽るような口ぶりにムッとなるものの、武志の言う通りでなにも言い返せなくなる。
プロポーズ後、愛実から幼なじみで親友だというふたりを紹介された。それが蘭ちゃんと佐介くんだった。
女の子だと勝手に思っていた俺は、ふたりを紹介されて戸惑った。仲が良くて呼び捨てするような仲だったから。
過ごしてきた年月の違いだと自分に言い聞かせても不安になる自分がいて、そして妙な敵対心を抱いてしまった。
この日を境に俺は、『愛実ちゃん』から『愛実』と呼ぶようになったわけだが、本当に大人げないと思う。
佐介くんとは幼なじみで、親友以上の関係ではないとわかってはいるが、三人で遊んでくると言われると、今でもドキッとしてしまうから情けない。
外に出ると互いに足を止めた。
「愛実ちゃんも不安に思っていると思うぞ? ……出会いから文通するとか、スローペースだったかもしれないけど結婚したんだ。いい加減、関係を前に進めろよ」
「……わかってる」
俺の不安を煽るような口ぶりにムッとなるものの、武志の言う通りでなにも言い返せなくなる。
プロポーズ後、愛実から幼なじみで親友だというふたりを紹介された。それが蘭ちゃんと佐介くんだった。
女の子だと勝手に思っていた俺は、ふたりを紹介されて戸惑った。仲が良くて呼び捨てするような仲だったから。
過ごしてきた年月の違いだと自分に言い聞かせても不安になる自分がいて、そして妙な敵対心を抱いてしまった。
この日を境に俺は、『愛実ちゃん』から『愛実』と呼ぶようになったわけだが、本当に大人げないと思う。
佐介くんとは幼なじみで、親友以上の関係ではないとわかってはいるが、三人で遊んでくると言われると、今でもドキッとしてしまうから情けない。
外に出ると互いに足を止めた。
「愛実ちゃんも不安に思っていると思うぞ? ……出会いから文通するとか、スローペースだったかもしれないけど結婚したんだ。いい加減、関係を前に進めろよ」
「……わかってる」