夢原夫婦のヒミツ

「大和さんがどう思っているかなんて、大和さんにしかわからないし……。だけど好きじゃなかったら絶対結婚なんてしないはずだ。やっぱりここは、さっき俺たちに話してくれたように、本人に聞くのが一番じゃないか？」

得策とばかりに笑顔で言う佐介に、蘭は目を吊り上げた。

「バカ佐介！　それができないから愛実は、私とあんたに相談しているんでしょ!?　本当に佐介って女心がわかっていないよね!!」

「……っ！　仕方ないだろ!?　俺は男なんだから」

「それを汲み取ってあげることができないから、ずっと彼女がいないんでしょ？　佐介みたいな男の人、私大っ嫌い」

蘭に言われ、佐介は口籠った。

「ら、蘭……！」

蘭は私の気持ちを汲み取って言ってくれたとわかっているけど、佐介の気持ちも考えてあげてほしい。

好きな相手に『大嫌い』だなんて言われたらショックだよね。現に佐介の表情からショックを受けているのが、見て取れる。

だけど佐介の気持ちを知る由もない蘭は強い口調で続ける。