夢原夫婦のヒミツ

「押してだめなら引けばいいのよ。ヤキモチ焼かせるの!!」

「え、ヤキモチ？」

どういうこと？　どうやって？

気になり前屈みになって、彼女の話に耳を傾けた。

「愛実って私たちから見ても、大和さん大好きオーラがすごい出ているってわかるんだもの、大和さんはもっと感じていると思う」

うっ……！　それは否めない。だって本当に大和さんのことが大好きだから。

「それで具体的にどうするつもり？」

佐介が聞くと、彼女はにっこり笑った。

「そこで佐介の出番ってわけ。愛実が佐介と仲良いところをアピールして、ヤキモチ焼かせるの！」

とんでもない蘭の提案に、私と佐介は目を見開いた。

「なに言って……！」

「そうだぞ、蘭！　そんなことできるわけないだろ!?」

一瞬フリーズするも、すぐにふたりして蘭に抗議する。だけど蘭は本気のようだ。

「なんで？　とってもいい案だと思うけどなぁ。少なからず大和さんは佐介の存在を気にしていると思うよ？　男友達って言われても、やっぱり気にするでしょ。私たちだって好きな人に女友達だって言われても、ちょっとその存在に疑いの目を向けない？」