夢原夫婦のヒミツ
昨夜も大和さんは「早く慣れて」と言って、ベッドの中で私にたくさんキスをした。

甘くて蕩けるキスになにも考えられなくなって、ずっとこのままキスしていたい……だなんて願ったほど。

だけど身体に触れられると途端に緊張がはしって、強張るばかりで。それ以上進むことができなかった。

本当にみんな、どうやって致しているのだろうか。

「……あっ、時間!!」

つい玄関先でボーっと考えている間にも、時間は刻々と流れていく。

ハッとなり急いで準備をして、慌てて家を出た。



今日も無事に園児たちへ給食を提供し、三人で使った調理器具などの片づけをしていると、ふいに大場さんに声を掛けられた。

「ねぇ、愛実ちゃん。なにかあったの?」

「え? なにかって、なにがですか?」

急にそんなことを聞かれても身に覚えがなくて首を捻る。

ん? もしかして私、なにかやらかしちゃったとか?

不安になっていると、大場さんと山口さんは顔を見合わせた後、揃って私に視線を向けた。
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