夢原夫婦のヒミツ
「いいって。こっちこそごめんね。急に誘ったりして」

「ううん、全然大丈夫だよ。それより、ふたりで会いたいだなんて、なにかあったの?」

蘭から渡されたメニュー表を受け取り尋ねると、明らかに彼女の身体はビクッと反応した。
だけどすぐに笑顔を向ける。

「まずは注文しようよ」

「あ、うん」

言われるがままメニュー表に目を通すものの、蘭の様子がおかしい。これは絶対なにかあったよね?

しかも佐介には聞かせたくないことでしょ? なんだろう、見当もつかない。

それぞれパスタとサラダ、ドリンクがセットになっているものを注文した。

そこで話してくれると思ったんだけど……。

「よかったね、大和さんとうまくいって」

「あ、うん。色々と迷惑かけちゃってごめんね」

大和さんとの話を振られ、すぐに謝ると蘭は首を横に振った。そして頬杖をしてにんまり顔を見せる。

「ううん、迷惑に思うわけないでしょ? ……でも本当によかったね。」

「……うん」

先にサラダが運ばれてきて食べていると、蘭は周囲に人がたくさんいるというのに、とんでもないことを聞いてきた。
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