夢原夫婦のヒミツ
「大丈夫。……ごめんな、気遣わせて」

「いいえ、そんなっ……」

ちゃんとわかっているから。それが大和さんの仕事だって。

「武志に言われたんだ。俺は普段から仕事のことばかり考えすぎだって」

「え、日比谷さんにですか?」

「あぁ」

すると大和さんは、申し訳なさそうに続ける。

「休みの日くらい、仕事のことは忘れて愛実との時間を大切にするべきだと。……休みの日も勉強していてごめんな」

もしかして大和さん、だから急に出掛けようって言ってくれたのかな。私は別に嫌に思っていないのに……。

でも大和さんの気持ちがすごく嬉しい。

「今日は仕事のことは考えないようにする。ふたりで楽しもう」

「……はい」

それから大和さんが運転する車でアウトレットへと向かった。


「愛実、布団カバーはどれがいい? あと枕カバーも買わないとな」

「そうですね……これなんてどうですか?」

ベッドを選び、配送してくれると聞き他にも色々と買い揃えていく。

結婚生活をする前にも、こうしてふたりで色々と買い揃えたけれど、今日はその時以上に楽しくて仕方ない。
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