夢原夫婦のヒミツ
気合いを入れて出勤したものの、やはり職場でも話題は西日本のこと。

休憩室にあるテレビでは、朝に引き続きどの番組もこの話題だった。

朝より情報が明確になってきてテレビにくぎ付けになっていると、スマホに新着メッセージが一件届いた。

もしかして大和さん!?

急いで相手を確認すると、佐介からだった。

ちょっぴり落胆しながらもタップしてメッセージを見ると、【愛実、今休憩中か? もし大丈夫なら電話してくれ】と送られてきた。

え、電話って……どうしたんだろう。

蘭から話を聞いた次の日、佐介からも報告を受けた。蘭に告白したことを。

だけど今まで通り接してほしいと言われ、その後も連絡は取っていた。明後日は蘭の誕生日だから、そのことに関してかな。

気になってすぐに電話をかけてみると、ワンコールで佐介が出た。

『もしもし、悪いな愛実。仕事中に』

「ううん、大丈夫だよ。……それよりどうしたの? なにかあった?」

不安に思いながら尋ねた。

『いや、ニュースを見て大丈夫かと思って。……大和さんも向かったんだろ? 現場に。お前、ひとりで大丈夫か?』

もしかして佐介、それで私に電話を掛けてきてくれたの? 彼の優しさに心が温かくなる。
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