夢原夫婦のヒミツ
「愛実は奥さん失格なんかじゃないよ。……いつも家のことをやってくれて感謝している。ありがとうな、愛実」

「大和さん……」

もう大和さんってば、なにを言っているんですか。家のことをやっているのは、私ひとりだけじゃない。

大和さんは、できる限り一緒に家事をやってくれている。料理だけは私がすべて請け負っているけど、片づけはやってくれるし、掃除も洗濯だって。

それにゴミ出しは絶対に私にやらせてくれない。

「お礼を言うのは、私の方ですよ?」

「え?」

キョトンする大和さんに感謝の思いを伝えた。

「いつも家のことを一緒にやってくれて、ありがとうございます。……大和さんは世界一の旦那様です!」

拳をギュッと握りしめて力説すると、彼は目を丸くさせた後、じわじわと私の言葉の意味を理解したのか、頬を赤く染めた。

「……大和さん?」

あれ、嘘。も、もしかして大和さんってば照れている?

意外な姿に今度は私が目を剥く。
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