夢原夫婦のヒミツ
ふたりは私と大和さんを温かく出迎えてくれた。

「愛実ちゃん、いらっしゃい。ごちそう用意したの、たくさん食べていってね」

「大和くん、来てくれてありがとう。兄さんも喜んでくれただろう」

すでに美味しそうなご馳走が用意されていて、大和さんとさっそく頂いていく。

おばあちゃん直伝のレシピ料理、煮物や漬け物などもあって懐かしい味に感動していると、立ち上がった叔父さんがいそいそと一升瓶を持ってきた。

「大和くん、一杯どうだね？　今日のために美味しい酒を用意しておいたんだ」

「あ、お気持ちは嬉しいのですが車の運転がありますので……」

断る大和さんに、叔父さんはコップを渡して勧めてくる。

「だったら泊まればいい。部屋はいっぱい余っているんだから」

だけど引かない叔父さんは、大和さんが持つコップにお酒を注いだ。

「叔父さん、ごめんなさい。大和さん明日も仕事があるから」

すぐに助け船を出すものの、叔父さんは引き下がらない。
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