夢原夫婦のヒミツ
叔母さんと片づけを済ませ、先に風呂に入った大和さんに続いて私もお風呂に入り、貸してもらった着替えを着て居間に戻ると、叔母さんに寝室に案内された。

「布団は敷いておいたから、すぐ寝られるわよ」

「すみません、ありがとうございます」

叔母さんの心遣いに感謝するものの、ここにきてハッと気づく。

泊まるって言っちゃったけど、寝室はどうなっているの!? 部屋はたくさん余っているって言っていたけれど……私と大和さんは夫婦だもの、きっと用意された部屋はひとつだけだよね?

焦っている間に部屋に着き、襖が開かれた。その先に見えたのはぴったりとくっ付いている二組の布団。

あぁ、やっぱり……!

ど、どうしよう言った方がいい? 私と大和さんは夫婦ですが、寝室は別々なんですって。

いや、でも言って変に思われても……。

グルグルと考えている間に、叔母さんは「それじゃおやすみなさい」と言って去っていった。

「あ……っ」

咄嗟に引き留めようとしたものの、声が続かない。だってなんて言ったらいいのか、わからない。
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