夢原夫婦のヒミツ
だけどどうしよう。大和さんと同じ部屋で眠るなんて初めてで緊張する。

行くはずだった新婚旅行も、三日前に自然災害が発生して大和さんは救助に向かい、しばらく帰ってこられなかったから延期されたまま行けていない。

だから本当に大和さんと同じ部屋で眠ることは、初めてなわけで……。

ひとりテンパっていると、隣にいる大和さんはそっと私の頭を撫でた。

「愛実、明日の朝早いし寝ようか」

「え、あっ……はい」

大和さんはいつも通りで、スタスタと部屋の中に入っていく。そして布団の上に座ると、「おいで」と言いながら手招きする。

お、おいでって……! 行きますけど、行きますけども!! なんだかものすごく照れる。

ゆっくりと近づきながら彼を見ると、やっぱりいつも通り。きっとドキドキしているのは私だけだろうなと思うと、ちょっぴり寂しくなる。

ストンと隣の布団に腰を下ろすと、大和さんの唇は優しい弧を描いた。
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