夢原夫婦のヒミツ
いやいや、でもここは叔父さんの家だし、大和さんもわかっているはず。

心臓が壊れそうなほどバクバク鳴る中、彼は電気を消した。

暗闇の中、こちらに近づく足音が異様に耳に届く。

どうしよう、大和さんが私の布団に入ってきたら。

緊張は最高潮に達した時、大和さんが隣の布団に入る気配を感じた。

「おやすみ、愛実」

そして聞こえてきたのは、「おやすみ」の挨拶。

あ、あれ……?

変に構えていた私は拍子抜けしてしまう。少しすると規則正しい寝息が聞こえてきた。

これは大和さん、完全に寝ている? え!! 確実にいい雰囲気だったよね!?

それなのに寝ちゃうなんて……。

布団の中でがっくりしてしまう。

暗闇にも慣れてきて、そっと大和さんの方を見ると、本当に寝息を立てて寝ていた。

「大和さん……?」

名前を呼ぶものの、返事はない。

大和さんは私と同じ部屋で眠ることに、なんとも思わないんだね。そう思うと悲しくなる。

大和さんと結婚してから、気持ちの浮き沈みが激しい気がする。些細な言動に嬉しくなったり幸せを感じたり。こうして悲しくなったり……。

大和さん、私のことを好きになってくれて、それでプロポーズしてくれたんですよね?

当たり前のことなのに、不安になってしまう。
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