麻布十番の妖遊戯
「侍、こんぶ茶のおかわり淹れとくれな」
寝っ転がったまま侍に指図する。
へいへいと侍は仕方なく自分の湯呑みも持って台所に立つ。
「そういや俺のことは根ほり葉ほり聞いてくるのに、昭子さんのことはなんにも聞いてませんでしたよね。昭子さんのこと知ってるんですか?」
「あんたらが言ってないなら知らないはずだよ。あたしはなんにも言ってないからね」
「じゃ今日あたり聞いてくるんですかねえ」
「どうだかねえ。ま、聞かれりゃ答えるさ。自分からほいほい馬鹿みたいには言わないけどね。とは言っても、女ってもんは口に出して言わなくても通じ合える部分があるんだよ」
ふふっと肩で笑う。そして大欠伸をした。
寝っ転がったまま侍に指図する。
へいへいと侍は仕方なく自分の湯呑みも持って台所に立つ。
「そういや俺のことは根ほり葉ほり聞いてくるのに、昭子さんのことはなんにも聞いてませんでしたよね。昭子さんのこと知ってるんですか?」
「あんたらが言ってないなら知らないはずだよ。あたしはなんにも言ってないからね」
「じゃ今日あたり聞いてくるんですかねえ」
「どうだかねえ。ま、聞かれりゃ答えるさ。自分からほいほい馬鹿みたいには言わないけどね。とは言っても、女ってもんは口に出して言わなくても通じ合える部分があるんだよ」
ふふっと肩で笑う。そして大欠伸をした。