麻布十番の妖遊戯



 司は目の前の光景に驚愕していた。
 己は今、自分の畑にいるのだ。
 最後の方に殺した女二人が埋まっている畑の上に足を投げ出して座っていた。

 俺は確か、瑞香にしたことと同じことを瑞香本人にされて殺されて、バラバラに切り落とされたはずだ。
 それから暗闇の中に捨てられた。その後、上から黒い靄が覆い被さってきて、バラバラになっていた体が徐々にくっつき始めていって。

 元に戻ってからが苦しくて、息ができなくて、自分の喉をかきむしった。喉の皮を剥き、中の肉をひっかき回し、自分で自分の首を締めた。
 首を締める手に力を入れる度に体の穴という穴から血が噴き出した。

 視界が霞み始めたと思ったら眼球が毬のように転げ落ち、それを自分の手で踏み潰した。
 そうやって俺は苦しみの中で悶え死んだはずだ。しかし。

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