麻布十番の妖遊戯
三
三
小林瑞香(こばやしみずか)はこたつについていた。
正面にいる金髪にデニムの着物を着ている男と目が合うと、びくりと身体を跳ねさせた。
見た目が怖いのだ。風体からしてどこかのちんぴらにしか見えない。
輪をかけて、瑞香のことをじいっと鋭い目つきで睨みつけてくるのだ。
「太郎、女の子をそうやってじいっと見るのやめなさいよ。気持ち悪がられるわよ。それでなくても見た目が怖いんだから。ねえ」
自分の左から耳心地のよい声が聞こえた。そこには紅色の着物を着たお洒落な髪型をした色っぽい女がいた。
言わずもがな、昭子のことだ。
グラスを片手に揺らしながら先程の金髪の男にちくりと言葉を刺した。
小林瑞香(こばやしみずか)はこたつについていた。
正面にいる金髪にデニムの着物を着ている男と目が合うと、びくりと身体を跳ねさせた。
見た目が怖いのだ。風体からしてどこかのちんぴらにしか見えない。
輪をかけて、瑞香のことをじいっと鋭い目つきで睨みつけてくるのだ。
「太郎、女の子をそうやってじいっと見るのやめなさいよ。気持ち悪がられるわよ。それでなくても見た目が怖いんだから。ねえ」
自分の左から耳心地のよい声が聞こえた。そこには紅色の着物を着たお洒落な髪型をした色っぽい女がいた。
言わずもがな、昭子のことだ。
グラスを片手に揺らしながら先程の金髪の男にちくりと言葉を刺した。