麻布十番の妖遊戯
太郎は、長めの金髪に筋の通った鼻、切れ長の目、ぴんと背筋の伸びた立ち姿に流行りのデニムの着物がよく似合っていた。
どういうわけか足元はスニーカーという不自然さには首を傾げるところである。
しかし本人は全く気にしていない。
「それで、今日は誰の話を聞きたいんだい、たまちゃん」
鈴の音のような耳心地の良い声が侍が座った隣から聞こえた。
そのまた隣には「たまこ」と呼ばれた年の頃は十才前後のおかっぱ頭の少女が分厚いノートを広げて鉛筆を持って待ち構えていた。
太郎と侍が話しているうちに、どこからともなく二人は現れて、気付いたときにはこたつに入っていたのだ。
部屋の中もいくばくか明るくなっている。
どういうわけか足元はスニーカーという不自然さには首を傾げるところである。
しかし本人は全く気にしていない。
「それで、今日は誰の話を聞きたいんだい、たまちゃん」
鈴の音のような耳心地の良い声が侍が座った隣から聞こえた。
そのまた隣には「たまこ」と呼ばれた年の頃は十才前後のおかっぱ頭の少女が分厚いノートを広げて鉛筆を持って待ち構えていた。
太郎と侍が話しているうちに、どこからともなく二人は現れて、気付いたときにはこたつに入っていたのだ。
部屋の中もいくばくか明るくなっている。