失翼の天使―wing lost the angel―
初めて会ったのは、高校受験を控えた姉の家庭教師として、母親が連れて来た日だ。
姉の四つ上の大学生ながら、あまりの老け顔に信じられなくて、歳を騙してるいけない人とも思ってた。
でも、顔を合わせ、話すうちに自然と兄や私は懐き、姉も恋を覚えてた。
すぐにくっつかず、お互い別の恋人が居る時期もあったけど、どこか特別で、姉の高校卒業とともに付き合い始めた2人は、結ばれる運命にあったのかも知れない。
見た目は不釣り合いで、周りもかなり驚いてた。
でも、母親同士が幼なじみって事もあり、両家は万々歳だった。
それが今では見慣れたせいもあるかも知れないけど、夫婦は似ると言うのか、義兄はちょっと格好良くなったと思う。
幼稚園の頃の湊が第一次反抗期の時に、“何で僕のパパは格好良くないの?僕、優兄が良い!”と言った事があったけど、今では父親っ子だ。
「湊のお父さんは、それこそ湊の母親を通して見るとアレよね。でも、私が知る中で、誰よりも優しくて、誰よりも温かい人。そういう人もカッコいいって言うのかも知れないね」
「はい!私も湊のお父さん大好きです!」
コーヒーカップから降りて来る湊を見つめながら、昔を少し振り返ってしまった。
湊の反抗期にも笑って怒らなかった義兄を。
姉の四つ上の大学生ながら、あまりの老け顔に信じられなくて、歳を騙してるいけない人とも思ってた。
でも、顔を合わせ、話すうちに自然と兄や私は懐き、姉も恋を覚えてた。
すぐにくっつかず、お互い別の恋人が居る時期もあったけど、どこか特別で、姉の高校卒業とともに付き合い始めた2人は、結ばれる運命にあったのかも知れない。
見た目は不釣り合いで、周りもかなり驚いてた。
でも、母親同士が幼なじみって事もあり、両家は万々歳だった。
それが今では見慣れたせいもあるかも知れないけど、夫婦は似ると言うのか、義兄はちょっと格好良くなったと思う。
幼稚園の頃の湊が第一次反抗期の時に、“何で僕のパパは格好良くないの?僕、優兄が良い!”と言った事があったけど、今では父親っ子だ。
「湊のお父さんは、それこそ湊の母親を通して見るとアレよね。でも、私が知る中で、誰よりも優しくて、誰よりも温かい人。そういう人もカッコいいって言うのかも知れないね」
「はい!私も湊のお父さん大好きです!」
コーヒーカップから降りて来る湊を見つめながら、昔を少し振り返ってしまった。
湊の反抗期にも笑って怒らなかった義兄を。