失翼の天使―wing lost the angel―
「湊、笑え!」



「は?いきなり何だよ!」



「気取るのも良いけど、徹さんみたいに、湊の笑顔も魅力的だろうなって思ったの」



「はー?俺のが魅力的だっての!」



…ダメだ、こいつ;;

まだ孫が1人なせいか、ジジババに甘やかされて自意識過剰になってる;;



「いや、優海の笑顔が一番だろ」



「「…………;;」」



「今、そこ関係ないから!;;」



湊の写メを撮る事に夢中で、絶対に話を聞いてなかった賴真。

16歳に引かれてると気付いてるだろうか。



「湊!リュウがメリーゴーランドだってよ!」



「おぉ!乃々香、馬車乗せてやるよ!」



「本当っ!?」



「……何が嬉しいの?ングッ!;;」



「高校生が青春を謳歌してる姿は黙って見ないとな;;」



次へとゾロゾロ移動する中、どこに喜びがある発言だったのか理解が出来ず、思わず漏らした本音。

賴真に後ろから手で口を塞がれ、耳元でコソコソと注意を受ける。

頷き、口に触れた手を掴み、グロスが付いてないか確認。

手は綺麗であって欲しい。

ありたいと思うのは、一種の職業病か。



「それにしても可愛いな」



「憎たらしいだけです」



「優海の話」



…何が?;;

どうしてそうなる?;;
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