失翼の天使―wing lost the angel―
私の前に立ち塞がり、研修生2人の視界に入れないように必死な宮本先生。

私が右に行こうとすば松枝君が引っ張り、私が左に行こうとすれば、副島君が宮本先生の腕を引いた。



「すみません。そろそろ業務妨害も大概にして貰えますか?」



「してないよ!そんな事してない!;;」



「してるじゃないですか」



「「「してないっ!!」」」



「……怖っ;;」



この3兄弟、恐ろしいほどの結束力を見せ付けて来て、思わず引く。



「貴方たち、点滴の準備をやってくれる?そろそろ働いてくれないと」



「あぁ!それは高橋-タカハシ-さんが!」



「何で!?鮎川-アユカワ-さんがしたら良いじゃん!」



「2人に言ってるのよ!師長自ら2人にね!!」



「「はい;;」」



姉の眼力に負け、賴真から離れて点滴台へと行く研修生たち。



「若い子にビンビンになってるぅ?」



「なるわけねぇだろ!」



「何で私に怒るのよっ!!」



突っぱねなかった事に怒ってるのは私なのに、何で厭味を言った途端、怒鳴られるのか。



「怒るなよ;;」



拗ねる私の顔を掴み、自分の方に向けせようとする賴真の手から逃げる。
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