失翼の天使―wing lost the angel―
そのいたちごっこにマスクがずれ、外して脹れっ面で睨むと、宮本先生が背中を押して来た。



「お、重い;;」



高いテーブルに胸と顔が押し付けられ、手加減はしてくれてるのか、苦しさはないもののだ重い。



「みんなして俺をデブキャラにするのは止めてくれないか;;」



「「まぁまぁ;;」」



研修医が宮本先生の小脇を抱えて離してくれ、解放された私は宮本先生の贅肉を掴んだ。



「3キロ増しですかね?」



「自転車通勤、再開しまーす;;」



雨の日でも雨合羽を着て自転車で通勤をしてた宮本先生は、5月に車検前にといそいそと車を買い替えたら、思いのほか気に入ったらしく、車通勤に変えて居た。

運動量が減っても食事量は変わらない為、学生時代とは違い着実にお肉を蓄えたようだ。



「大変ですね。太りやすいって」



「グサァ……;;この子、抉るわー……;;」



「触るな!」



「「何でそこは怒る!?」」



「……は?」



宮本先生が私の頭を撫でると、ムスッとしてその手を振り払った賴真。

堪らず突っ込むと、宮本先生と被る。

2人に言われた賴真はポカーンとし、呆れてる松枝君から指南を受けてる。
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