失翼の天使―wing lost the angel―
「防災センターでモニターを見せて貰い、確認を取ったのですが、市民小児病院から小児科にトランス(転院)して来た子が居て、助手でも元看護師だからと来たそうです……」



「「「『…………』」」」



「あいつ、マジで何なんだよっ!!」



またもやな事態に、即座にキレた兄が近隣病院の番号が載る電話帳を取りながら怒鳴る。

冷静に話しつつも、怒り丸出しの声で市民小児に電話を繋け始めた。

市民小児病院は民間病院でありながらも、ここや大学病院が多い為、小児科専門として10年前から再建を果たした病院。

二次救急の受け入れもしてる、まあまあな規模ながらも転院を希望する人が多い事でも有名だったりする。

問題は看護体制と言われる。

人手不足でもあり、一番の理由は市民病院時代から務めるお局様たちが多く、親御さんが居心地の悪さを感じるとか。

人の心に寄り添う事を忘れてるらしい。



「そうですね。こちらから出向く事じゃないと思いますが?……えぇ。院長と総師長さんが来て、患者さんやその家族に謝罪して下さい。……だからそうだと言ってますが?……本人が来たところで、最後は上が出るべきでしょう。だったら最初から貴方が来ては?看護の責任者なら当然じゃないですか」



…何か、抉れてる?;;
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