失翼の天使―wing lost the angel―
身体の結びつきだけでは得難い、愛を感じたんだろう。



「賴真、ありがとう」



「ん?」



「出逢えた人の中で、こんなにも幸せな気持ちになれたのは、賴真だけ」



「……あ、当たり前!」



「照れてるの?」



「照れてない!優海の成長に驚いただけだ!!」



…そこまで付き合いは長くないかと;;

しかも、何目線でそんな事を;;



「愛してるよ、賴真」



「な、なっ――!;;」



「やっぱり、照れじゃん!」



「んなっ!!;;俺だって言えるさ!優海を愛して止まねぇよ!!」



「ちょっ……!;;声が大きい!!;;」



「照れんなよ」



「誰のせいよ!もう、戻るから!;;」



「優海」



「…………、」



「2人で、行こうな」



「……うんっ」



場を考えずに叫ぶように言った賴真。

照れと言うよりは恥ずかしく、離れて戻ろうとする私に放たれた言葉は、プロポーズよりも嬉しくて、愛の言葉よりも、今は胸がキュンとした。



「おっ!!?」



気持ちを抑えきれず、賴真の腕の中へ飛び込んで勢い良くキス。



「後、2分だけ居たい……」



「いや、戻れよ」



「「…………;;」」



…我が兄よ……;;

こんな時まで、覗きですかぁ!!?;;




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