失翼の天使―wing lost the angel―
必死な形相で否定する姉から目を逸らせ、素直に反応出来ない賴真を連れてナースステーションに戻る。
「「優海ちゃん、申し訳ない!!」」
「「翔真がごめん(なさい)……っ!!」」
すると、私を見るなり鷺沼家の4人が頭を下げて来た。
父親は苦しい表情を浮かべ、母親は泣き顔を兄の背に隠した。
「止めて下さい!;;私も翔真先生の手……あんな風にしちゃったし……」
ナースステーションの隅にしゃがみ込み、右手をギプスで覆われた翔真さんを見て、折ったんだと気付いた。
何故か口端が切れてるけど。
「当然だ。兄貴の代わりに殴っといたから」
院長と院長婦……お母さんの顔を上げさせてると、怒りを滲ませた目で長兄を見ながら言う天真さん。
その目に涙も浮かんでる為、ハンカチを差し出すと手で顔を隠す。
次兄である遥真さんが肩を抱くと、嗚咽を漏らしながら膝から崩れてしまった。
「「天真(さん)……?」」
いきなりの号泣に戸惑い、賴真と声を掛ける。
「被害者の中に衣舞ちゃんが居てさ……。今、〇〇病院で見て貰ってる。俺のとこは、たまたま嫁さんたち連れて隣に居て助かったが……」
「は……?」
兄弟のパートナーも狙ってたって事……?
私に対しては頭に血が上ったとかじゃなく、計画して来てたって事……?
「「優海ちゃん、申し訳ない!!」」
「「翔真がごめん(なさい)……っ!!」」
すると、私を見るなり鷺沼家の4人が頭を下げて来た。
父親は苦しい表情を浮かべ、母親は泣き顔を兄の背に隠した。
「止めて下さい!;;私も翔真先生の手……あんな風にしちゃったし……」
ナースステーションの隅にしゃがみ込み、右手をギプスで覆われた翔真さんを見て、折ったんだと気付いた。
何故か口端が切れてるけど。
「当然だ。兄貴の代わりに殴っといたから」
院長と院長婦……お母さんの顔を上げさせてると、怒りを滲ませた目で長兄を見ながら言う天真さん。
その目に涙も浮かんでる為、ハンカチを差し出すと手で顔を隠す。
次兄である遥真さんが肩を抱くと、嗚咽を漏らしながら膝から崩れてしまった。
「「天真(さん)……?」」
いきなりの号泣に戸惑い、賴真と声を掛ける。
「被害者の中に衣舞ちゃんが居てさ……。今、〇〇病院で見て貰ってる。俺のとこは、たまたま嫁さんたち連れて隣に居て助かったが……」
「は……?」
兄弟のパートナーも狙ってたって事……?
私に対しては頭に血が上ったとかじゃなく、計画して来てたって事……?