失翼の天使―wing lost the angel―
初療ベッドは4床。
観察ベッドが8床。
診察室は3室。
救命管轄のHCUが3床、ICUは6床。
大学病院に負けず劣らずで、小さな個人病院から大三次救命救急センターまで構えるまでに一代で成功を遂げた鷺沼総合病院。
救命救急センターのナースステーションは広く、処置室や集中治療室までの動線がちゃんと取れており、私が以前居た大学病院のERよりも出来た場所だ。
ただ、個人病院らしくて納得するのは、救命救急センターのドクターは不足してる。
ほとんど診療しに降りて来ないという、朝本-アサモト-部長(48)に始まり、脳外の認定医でもあり、指導医兼リーダーを務める兄の長崎優太。
救命のエキスパート、救命認定医で上級医師の鷺沼賴真先生と、上級医の宮本大我-ミヤモトタイガ-先生。
後は医師4年目の後期研修医、武藤-ムトウ-先生と、2年目の松枝-マツエダ-君と1年目の副島-ソエジマ-君で回ってる。
武藤先生以下は週休2日が守られ、17時から8時までの勤務。
しかし、上級医以上は17時から8時。
もしくは、ある意味サービス残業で、日勤も続くとか。
やはりそこは大きい組織と違って、いかに救命への応援ドクターが少ないかわかる。