失翼の天使―wing lost the angel―
「頭を上げて?優海さん。ごめんなさいね……でも私、貴方を気に入ってしまって、手を焼いてしまったわ……。ほら、うちは息子4人でしょ?親離れも早くてね、お嫁さんを実のように可愛がって母性をコントロールするしかないのよ」



…謝ってるの?;;

それともまだ私に手を焼きたい宣言なの?;;



「世知子ちゃんも嫌いじゃないのよ?でも私、グイグイ来られると逆に引くのよ」



…それに何と返せば良いのやら;;

しかもそれ……大池主任を、一度は嫁候補にしたって事ですよね?;;



「私、あの……お付き合いとか、嫁とか……」



「わかってます。けど、主人も私も貴方が良いの!優海さんのご両親もそれを望んで、預けて下さったの。ゆっくりで良いの!賴真を知って行って頂戴。みんなで、貴方を大切にするわ」



「…………」



…そういう事じゃ……ないんだけどな;;



「私、あの……鷺沼先生……、賴真さんとのお付き合いとか結婚を断ってるわけじゃ;;」



「「……えっ?」」



「良い方だと思います。賴真さんの優しさ、温かさも知り合って数日ながら感じてます。……でも、今の私は男性自体を信じる事が怖いです。信じないと、申し訳ないじゃないですか……」



鷺沼先生を嫌ってないし、信じて良い人だとは思う。

けど、二度と同じ思いなどしたくない。
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