失翼の天使―wing lost the angel―
「ないない!鷺沼先生はきっとね、我が子見たら絶対に泣くよ」



「当たり前だろ!この俺に、優海が優海に似た子を産んでくれたら――…」



「私に似てるかわからないですよね!?」



「突っ込むところ、そこなんですか??お2人、いつからそんな関係に!?」



「「どんな関係にもなってない……」」



「え?;;」



「保留、的な感じ?」



「保留以前の話じゃないですか?」



「うん。保留だよ保留」



「スルー!?だいたい、それ以前の……まあ良いや;;」



いつまでもこんな話をしててもしょうがないし、そろそろお母さんに赤ちゃんを抱かせてあげよう。

ストレッチャーで待つお母さんの元へ行き、胸元に赤ちゃんを寝かせる。

お母さんの心音に安心したのか、スヤスヤと眠り始めた赤ちゃん。



「産婦人科病棟に行きますね」



若手ナースたちを呼び、病棟に運ばせる仙田さん。



「私もユウ君の赤ちゃん欲しいなぁ」



「「“ユウ君”!?」」



見送った後、ふと普段の彼女に戻ったと思えば、とんでもない発言が。

…お兄ちゃん、の事だよね……;;

あれで……“ユウ君”て……;;

ブルッとしたんですけど……!!
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