失翼の天使―wing lost the angel―
失笑する兄に助けを求めるも、鷺沼先生を呆れた目をして見てるだけで、助ける気はない様子。



「優海には俺が居るだろ?それとも俺じゃない男と出会いが欲しいのか……?」



「そうじゃなくて……;;」



…クソッ;;

最近、何だか彼の困惑顔に弱い。

前々から弱々しい声で言われると心を揺るがされてたけど。



「私は明日菜を祝福しに行くだけで、出会いを求めに行くわけではありません。言いましたよね?先生のお心を信じたいって。先生が私を信じてくれなければ、始まるものも始まらないじゃないですか」



「そうだけど、優海はモテるに決まってるし……」



「だから、来れば良いんですよ!」



「明日菜!;;」



「うん。行かせて貰うよ!」



…何でこうなるのよ……;;

言い聞かせても無意味だし、明日菜は幸せに浮かれてるのか、ウェルカム姿勢だし勘弁してよ……;;



「今度、服を一緒に買いに行こう!」



「……はい。わかりました;;」



最終的に私が折れて、事を円満に済ませて鷺沼先生を帰す。

共に夜勤の兄と既に疲れてるも、業務に入る。

副島君はこの2ヶ月で確実に成長しており、急患にも落ち着いて対応するようになって来た。
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