再殺動
事件当日
朝の校舎内はシンと静まりかえっていた。
始は半信半疑のまま、スマホを片手に指定された中央階段まで歩く。
『新しいアプリ』がインストールされた。
それ以外の情報はなかった。
執事代わりのアプリなら以前も入っていたが、『トワ』がインストールされてからは忽然と姿を消していた。
中央階段のところに差し掛かったとき、そこに人の気配がした。思わず体が硬くなる。
まじで、道葉有がいんのかよ。
喉を鳴らす。
直後、ふわりといい香りが始の鼻をかすめた。
覚えがある。道葉有の香りだ。いつも同じ香りだけど、この香りは誰ともかぶらない。
踊り場に出ると、そこには壁にもたれて下を向きながら鼻唄を歌う道葉有がいた。
窓から差し込んでくる朝の光が茶色の髪の毛に当たり、うっすらとブロンズ色に輝いている。
腰まであるストレートの髪の毛が体を揺らす度に左右に緩くなびいていた。
細身の身体だが、スタイルのよさは制服の上からでもわかる。
始は意を決し、
「道葉、おはよう」
震える体をごまかし、声をかけた。
「え、あ、うん。おはよう」
道葉有はびくりと体を震わせた。
気まずそうな笑顔で軽く挨拶をし、また同じように下を向いた。
朝の校舎内はシンと静まりかえっていた。
始は半信半疑のまま、スマホを片手に指定された中央階段まで歩く。
『新しいアプリ』がインストールされた。
それ以外の情報はなかった。
執事代わりのアプリなら以前も入っていたが、『トワ』がインストールされてからは忽然と姿を消していた。
中央階段のところに差し掛かったとき、そこに人の気配がした。思わず体が硬くなる。
まじで、道葉有がいんのかよ。
喉を鳴らす。
直後、ふわりといい香りが始の鼻をかすめた。
覚えがある。道葉有の香りだ。いつも同じ香りだけど、この香りは誰ともかぶらない。
踊り場に出ると、そこには壁にもたれて下を向きながら鼻唄を歌う道葉有がいた。
窓から差し込んでくる朝の光が茶色の髪の毛に当たり、うっすらとブロンズ色に輝いている。
腰まであるストレートの髪の毛が体を揺らす度に左右に緩くなびいていた。
細身の身体だが、スタイルのよさは制服の上からでもわかる。
始は意を決し、
「道葉、おはよう」
震える体をごまかし、声をかけた。
「え、あ、うん。おはよう」
道葉有はびくりと体を震わせた。
気まずそうな笑顔で軽く挨拶をし、また同じように下を向いた。