再殺動
『なんで俺が』

「朝早く誰もいない学校で会おうとしてたんじゃないのか?」

『それだって君の妄想だろ。君が犯人だから、そんなことを考えて自分の考え出した世界に飲み込まれてる』

「俺が有の彼氏だぞ。お前じゃない」

『そんなの知ってるって。今はそんなこと関係ない。もし、殺した人がいるなら俺は許さない』

「それは、俺の言うことで、お前の、言うことじゃ、ないだろ」

『とにかく、君が犯人だった場合、俺、大々的に名前出すからね』

「ヒーローぶるんじゃねえよ。そんなことしなくても、俺じゃない。有が死んでまでお前、自分の好感度上げる気かよ」

『言いたいことはそれだけなんで』

自分の言いたいことだけ言うと、一方的に電話は切れた。

宣戦布告だ。そう、トムには思えた。
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