お見合い相手はエリート同期
「明日。」
「え、えぇ。」
「仕事、一緒に行く?」
「……はい?」
それはお泊まりしてってこと?
そもそも私は休日出勤する必要ないんだけど……。
「今まで色々とあったみたいだから、俺のことも信用できないかと思って。」
それは、、。
「他の女と会ってると思われるのは堪らない。」
私が無言だったのを、そうとらえたみたいだ。
ものすごく愛おしく感じて澤口の服をギュッとつかむ。
「朱音?」
「うん。そうする。
自分の職場にも顔を出せばいいし。」
「そう。
俺は会議室にこもるつもりだったから、いつ来てくれても構わないから。」
それだけ言うと体は離されて「じゃ明日な」と澤口は帰っていく。
引き留めたい思いをグッと抑えてマンションへの扉を開けた。
今夜は帰さないって言葉よりも嬉しくて大事にされている気がした。