お見合い相手はエリート同期

「弁当を作るのは普通?」

「……分からないよ。
 人に作るのは初めてだから。」

「……………。
 嬉しいのは本当。
 でも、その時間があるなら俺は………。
 いや。なんでもない。」

「何?言ってよ。」

 目を合わせようとしない澤口に言葉を重ねる。

「ねぇ。何?」

 机をコツコツと指でたたかれて「座って?」とこちらも見ずに言われた。
 渋々、座り直すと「俺が言うことと同じこと言って」と不可解なことを言い出した。

「どういう……。」

「いいから。」

 有無を言わせない雰囲気に「分かった……」と答えて澤口の言葉を待った。

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