お見合い相手はエリート同期
頬がくすぐったくて「んんっ……」と手で払うと「フッ」と笑った声が聞こえて目を開ける。
「………ッ。寝顔、見なくたっていいのに!」
デリカシーは相変わらず無いんだから!
「お前の頬、ぷにぷに。
余計に腹空いたわ。」
「……ッッ。
そんな人にお弁当なんてあげません!」
会議室の時計は12時を指していて、お昼ご飯の催促に起こされたみたいだ。
「いいから食わせろよ。」
尊大な態度に閉口しつつ、お弁当をテーブルに並べた。
「料理できるとか意外過ぎる。」
「それ、褒めてるの?けなしてるの?」
「母親に作ってもらったとか?」
「どう考えても単身者用のマンションだったでしょ!」
からかう澤口に文句を言いながらも食べるところをドキドキしながら見守る。
「へぇ。おいしい。」
「良かった……。」
「いい奥さんになるよ。」
どこか他人事のように口にする澤口に、あなたの奥さんになるんですよね?とツッコミたい気持ちになる。