お見合い相手はエリート同期
「昨日の……あぁ。お見合いの件だね。」
にこにこ嬉しそうな顔をしている部長が「今回は残念だったね」と言ってくれるのを今か今かと待ちわびた。
ゆっくりと穏やかに口を開いた部長は天地がひっくり返るような言葉を口にした。
「お相手の方も気に入られて、このままお付き合いを進めたいって。
高橋さんも急いで僕に報告したいくらい意気投合したんだね。」
良かった。良かった。と続けた嬉しそうな部長の声どころか、途中の部長の声は全く耳に入らなかった。
誰が、誰を気に入ったって?
「部長?
私以外にもお見合いを受け持たれていらっしゃいます?」
誰かと間違えてるんじゃない?
だってそんなこと有り得ないもの。