お見合い相手はエリート同期
18.思わぬ立候補
お弁当を食べ終わって「職場に顔を出してくるね」と会議室を出た。
さすがに今度は引き留められなかったことに、ホッとするような残念なような………。
って、どんな心境??
職場のフロアへ入る手前の休憩室の自販機でコーヒーを買っている筒井さんが立っていた。
「お疲れ様です。」
「あれ。高橋さん。お疲れ。
出勤だったっけ?」
「いえ。えっと、ちょっと顔を出しただけです。
手伝えることあります?」
「助かるよ。でも届け出してないんでしょ?
手伝って欲しいのは山々だけど……。
そうだ。晩飯奢るからそれで手を打たない?」
「それは………。」
澤口のことが思い浮かんでどうしようかと返事に詰まる。
「あ、ごめん。デートだった?」
「いえ。そういうわけじゃ……。」
デートなんて。
澤口と食事をするとしても。
デートなんて浮ついたものなのか、よく分からない。