お見合い相手はエリート同期
「あの、さ。
部長から小耳に挟んだんだけど。」
「え?はい。」
「高橋さん、見合い相手を探していたって本当?」
「………ッ!」
あのタヌキジジイ!!!
「ごめん。聞いていいか分からなくて。
もうずいぶん前に。
高橋さんだって確証はなかったんだけどね。」
「部長から直接聞かれたわけじゃなくてですか?」
もしかしてタヌキは筒井さんの方?
カマかけられたってこと?
「ちょうど高橋さんが部長に何か頼んでいる感じだった時と、部長がいい男いないか探してる頃と被ったから。」
うわぁ。まんまとはめられた……。
「ごめん。聞かれたくないよね。
こんなこと。」
「いえ。あの、はい。」
「正直だね。高橋さんは。」
苦笑する筒井さんに曖昧な微笑みを返す。