お見合い相手はエリート同期

「俺なんてどうかな?」

「……はい?」

「まだ相手がいないのなら。」

 それって………。
 見合い相手に立候補してくれるってこと??

 筒井さんとなら、きっと穏やかな日々を過ごせる。
 同期の小倉くんに感じたみたいな、そんなイメージ。

 穏やかで変に女関係の心配をしなくてもいいだろうし。

「良かったら考えておいて?」

「あ、………。」

 今、付き合っている人がいるんです。
 一応、ですけど。お試しの人ですけど。

 それを言えないまま、筒井さんは職場へと戻ってしまった。

 私は、職場へ行けないまま。
 かと言って澤口のところへも戻れないまま。

 自販機前のベンチに腰掛けて、知世へメールを送った。

『筒井さんどう思う?』

 するとすごい勢いでメールが返ってきた。

『はい?
 どんな意味で?何?浮気??』

 ハハッと軽い笑いを吐いてメールを送る。

『澤口は、、あんなんでしょ?
 私のことどう思っているかつかめないところあるし。
 大切にされてるのかなぁと思うには思うんだけど………。』

『思うんだけど何?何か引っかかる?』
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