お見合い相手はエリート同期
19.気付かされて
身震いをして目を覚ますといつの間にか眠っていた体を起こす。
まぶたが重量感を増していて、あー、やっちゃったな。と、思いながらお風呂の準備を始めた。
ゆっくりお風呂に浸かって、それにご飯も食べなきゃ。
自分がするべき作業を1つ1つ確認していると携帯が視界に入った。
何かを受信している点灯を見て、何気なく開いて確認する。
『明日会おう』
澤口恭一の名前を視野に入れてため息を吐いた。
会うの?なんで?
顔、見たくないんでしょ?
ぐちゃぐちゃの気持ちを洗い流す為にも携帯はベッドの上に放り投げて、お風呂へと足を向けた。
お風呂でサッパリして、ご飯を食べて心も落ち着いた頃にもう一度メールを開く。
『明日会おう。
3時に。ここへ来て。』
地図が添付されていて、それは見合いをしたホテルの場所が示されていた。
もう一度、ここからやり直すつもりなのかな。
それで、その場で「お断りします」って正しい返事をされるのかもしれない。
私は潔くメールを返信した。
『分かった。』