お見合い相手はエリート同期
澤口side:大切な
海外赴任の任期は3年。
その任期を1年近く残して志半ばでの帰国を余儀なくされた。
妻帯者のみが海外赴任をすることが決定したからだ。
どういう理屈か決めた奴に問いただしたい。
部長には「結婚すればまた海外赴任できるぞ」と言われ帰国した。
まだ赴任して2年だったが、帰国後はそれ相応の待遇を約束された。
けれど待遇云々を期待していたわけじゃない。
納得できない俺へ部長は見合い話を持ち出した。
生産技術開発部の女の子が見合いをしたいらしいと聞く。
見合いだなんて馬鹿馬鹿しい。
そう思っていたのに、名前を聞いて驚いた。
それは同期の高橋だった。
見合いを頼むほど、、。
あいつダメ男収集家って呼ばれていたっけか。
気付けば見合いをお願いしていた。
高橋は類い稀な外見の持ち主なのに、どうしてか付き合う男はクズ男ばかりという噂。
いつしか高橋と付き合うとまともな奴も高橋の毒牙にやられてクズ男になってしまうのではと囁かれるようになって同期の小心者の男達は言い寄ることもしなかった。