お見合い相手はエリート同期
「朱音も行くでしょ?同期会。」
知世はいつも通り楽しそうだ。
「ん……。今回はやめとく。」
「なんでよ。
澤口くんが来るから?」
目を三角にする知世に苦笑いを浮かべた。
「………私が行かなくても行きたい人はたくさんいるでしょ。」
「それでいいの?
海外へ行っちゃったらもう会えなくなっちゃうんだよ?」
会えなくなっちゃうも何も。
身を引いた時点で別々の道を歩いていく決意をした。
向こうの方がずっと早くに割り切れたみたいだけど。
「もういいの。
私達はただの同期なんだから。」
「ただの同期なら出席できるでしょ?
ウジウジしてる朱音は見てられないの!
吹っ切るためにも参加するんだからね!
もう強制参加だから!!!」
知世に押し切られる形で同期会への出席が決まってしまった。
吹っ切るかぁ。
そうだよね。
いつまでも想い続けていても未来なんてまるでないんだから。