お見合い相手はエリート同期
4.好きなの?
だいたい社内メールで送ってくる奴の気が知れない。
社内メールは上司が内容をチェック出来る。
上司が………。
あぁ。ダメだ。
私の上はあのタヌキジジイだ。
見られたところで喜ぶことはあっても、けしからんとはならないわね。
澤口のところも然り。
開封通知がついていたことを恨めしく思いながら『社内メールを私用メールとして使わないでください』と送ってやった。
髪を留めていたヘアクリップを取って、髪に手を入れると左右に頭を振る。
自由になった髪と一緒に僅かだけれど心も軽くなった気がした。
すぐにメールは返された。
躊躇することも馬鹿らしくなってメールを開く。
『真面目発言。
同期会の連絡は平気で社内メールのくせにな。』
同期会と個人的なメールとではわけが違う。
澤口から『真面目』といわれると虫唾が走る。
メールには続きがあった。
『俺、高橋の連絡先を知らないからね。』
教える必要ないでしょ。
金輪際、関わりたくないくらいなんだから。
しかし次の一文を見て画面をスクロールする手が止まった。