お見合い相手はエリート同期
「高橋さん。
午前中に書いてもらった図面。
修正入ったから直してくれる?」
岡本課長に声を掛けられてハッとする。
昼休みは終わっていた。
「はい。承知致しました。」
「3時からの打ち合わせで必要なんだ。
大至急で頼むよ。」
もう一度時計を確認して気を引き締めた。
ヘアクリップで流れてくる髪を再び留める。
とにかく今は仕事だ。
図面に目を落としてふと気づく。
小さな付箋に『今日、食事に行けない?』と書かれてあった。
顔を緩ませつつ、付箋を剥がして手帳に貼り直す。
澤口の奴………。
手にしたペンを握り締め、どこにぶつけていいのか分からない苛立ちを仕事へぶつけることにした。