お見合い相手はエリート同期
「向こうへ戻ったら約束をやり直さないか?」
「約束……。」
「すっぽかしただろ?
俺ん家に来いよって言ったけど?俺。」
澤口の家……。
なんとなく一人暮らしかなって思うけど、それはそれでなんだか緊張してしまう。
「あー親へも挨拶しないとな。」
「挨拶??」
「するんだろ?結婚。」
「え……あ、はい。ソウデスネ。」
「おいおい。大丈夫かよ。」
感動したし嬉しくて結婚をOKしたけど、一人暮らしの澤口の家へ行ったこともないのに。
何も知らないのにいいのかな。
澤口に言えば「今から知っていけばいいだろ?」って言いそうだけど。
一抹の不安を感じながら、お洒落なレストランを思わせる濃厚なエッグベネディクトを口に放り込んだ。