お見合い相手はエリート同期
「それは悪かったね。」
頭をかくお父さんにお母さんがフォローするようなことを教えてくれた。
「恭一はお父さんにそっくりだって言われることが多くてね。
恭一が褒められると自分が褒められた気分になれて気持ちいいのよ。
ごめんなさいね。変な親子で。」
「変な親子でひとくくりにしないでくれない？」
澤口はお母さんの意見に不服そうな顔をしてお父さんは「フッ」と笑みをこぼした。
その笑みを聞いて親子だなぁと微笑んでしまった。
「良かったら妹にも会っていけよ。」
「そうそう。若菜も会いたがってたわ。」
妹さんって分かっているのに些か緊張気味に待っているとあの日確かに澤口の隣に立っていた女の子が顔を出した。
「わぁ。朱音さん？」
「はい。」
「捻くれ者の兄をよろしくお願いしますね。」
「え、えぇ。」
実の妹にまで捻くれ者呼ばわりされて面食らって苦笑する。
妹さんは本当に可愛い。
けれど背の小さな子と思っていたのは澤口との対比で小さく感じただけのようだった。
スラッとしたモデルさんみたいな長身の美人さんで澤口の妹さんと言われて納得できる子だった。
