お見合い相手はエリート同期
目まぐるしく終えたホテルウエディングの打ち合わせ。
帰り道で私は澤口へ質問を向けた。
「どうして半年以内?」
海外赴任は急がないでおこうと2人の間で決まった。
いい話があってお互いのタイミングが合えば行こうという話になり、半年という区切りは一旦流れたはずだ。
澤口はいつもの呆れたような声を出す。
今はその声に愛を感じるからやっぱり幸せボケしてるなって思う。
「気にしてたろ。25歳。」
「25……歳?」
それはいつか話した25歳終わり説の話?
半年以内に結婚すれば9月生まれの私はかろうじて25歳で結婚できる。
「それは、もういいのに。」
胸が熱くなって澤口へ寄りかかる。
「いいから。しとけよ。25歳で結婚。
焦って結婚したのかって思わせないくらい幸せそうな顔させてやる。」
悪戯っぽい顔を向ける澤口へ文句を言ってやりたいのに言葉は上手く口から出ていってくれない。
「泣くなよ。」
「だって。幸せ過ぎて。」
焦って捕まえたのが澤口って誰もが羨んじゃうよ。
これから結婚に向けて本格的に始動する。
意見が食い違ったり、忙しくてすれ違ったり、もしかしたらマリッジブルーになったりするかもしれない。
けれど……。
きっと澤口となら乗り越えていけるんじゃないかなって幸せボケしてる私はそう思ってる。
-Fin