お見合い相手はエリート同期

「朱音が自慢の恋人だって言いたいんなら付き合っても構わない。」

 素直じゃないな、俺も。
 心の中で苦笑しながらも、朱音が愛おしくて首すじにキスを落とす。

「もう。ダメだよ。
 ……帰れなくなっちゃう。」

「だから帰るなよ。」

「うん、、でも、やっぱり、、。」

「フッ。いいよ。待ってる。
 親に挨拶して、その次が指輪で、その次が結婚式だ。
 それが済んでから籍を入れて、引っ越して、、だろ?」

「……うん。」

 そういうつれないことを言う朱音に少しだけ意地悪を言う。

「一番大切な順番守ってないのにな。
 バージンロード歩くってのに、、、。」

「そ、それはお互い様!!!」

「はいはい。」

 お互い初めて同士ではなかったことくらい、いい大人なのだから暗黙の了解だ。

 それなのに自分で話を振っておいて胸が抉られたような気分になる俺は、やっぱり器が小さいんだろうな。

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