お見合い相手はエリート同期

 朱音の地元は新幹線で1時間。
 電車に乗り換えて40分のところにある。

 日帰りで行けるけれど、気軽になかなか来れない距離でもある。

 俺は前回に朱音の両親に挨拶へ来て以来だ。

「朱音の実家にもせっかくだから顔を出したらどうだ。」

「うん。でも澤口はいいの?」

「俺のこと気にするなよ。
 なかなか帰ってこれないんだろ?
 せっかくだ。寄って行こう。」

「うん。ありがとう。」

 朱音は嬉しそうな顔をさせてお礼を口にした。

 どちらかと言えば、朱音の実家に俺が行くと甲斐甲斐しく朱音が俺へ気遣いをしてくれるのがみえて、いい気分になるとは言わないでおいた。

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